現代政治分析入門1
2026-06-23

生態学的誤謬のところで出てきた、アメリカの政党支持と所得のところがよくわからなかった。ここでは、州別1人あたりのGDPと、大統領選結果の相関関係が成り立っていないということですか?
今回、生態学的誤謬について学びましたが、実際の政治学研究では国レベルのデータしか得られないことも多いと思います。その場合、研究者はどのような工夫によって生態学的誤謬のリスクを減らしているのでしょうか。
観測の単位と分析の単位の違いがまだよくわからない。
分析の単位は基本的に細かくできる限りなるべく細かい方がよいという認識でいいですか?
サンプル選択は因果効果の推定も歪める可能性での、独立変数の値に基づいた場合は問題なしの部分がわからなかった。独立変数で選べば絶対安全(歪まない)ということか。
なぜTOEIC700点以上に絞ると因果効果が過少に評価されるのかよく理解できなかった。
少数の事例から因果関係を検証する方法を学ぶ。量的研究と質的研究それぞれの利点と限界を議論するとともに、質的研究の枠組みとして「一致法」と「差異法」を学び、実際に自分で行ってみる。

多くの事例を分析
少数の事例を分析
広さと深さのトレードオフ
| 量的研究 | 質的研究 | |
|---|---|---|
| 外的妥当性 | 高い | 低い |
| 考察 | 浅い | 深い |
ジョン・ステュアート・ミルの比較法

以下のような推論はそれぞれ差異法と一致法どちらに基づいているでしょうか。
異なった結果を示す複数の事例を比較し、その違いをもたらした原因を推論
| 福祉のあり方 | 階級間関係 |
|---|---|
| 自由主義 (英語圏) |
資本家一強 |
| 保守主義 (大陸欧州) |
保守派+官僚+管理職連合 |
| 社民主義 (北欧) |
労働者+農民+中間層連 |
アメリカは二大政党制でドイツは多党制だが、その原因は選挙制度が異なるためであろう。つまりアメリカは小選挙区制、ドイツは比例代表制を採用していることが政党制の違いを生み出している。
共変関係は確認できている
原因の時間的先行も研究設計次第では可能
他の変数の統制がしにくい
理論的検討
Most Similar Systems Design (MSSD)
自然実験 (natural experiment)
福祉国家の発展と労働組合の強さ
| 福祉国家 | 労働組合 | 民主主義 | 経済発展 | |
|---|---|---|---|---|
| スウェーデン | 高度 | 強い | 発展 | 高度 |
| アメリカ | 低度 | 弱い | 発展 | 高度 |
| 北朝鮮 | きわめて低度 | 不在 | 不在 | きわめて低度 |
→スウェーデンの比較相手は北朝鮮よりもアメリカの方が良い
Posner (2004: 532)
同じ結果を示す複数の事例を比較し、共通する要因を原因とみなす
例:福祉国家発展の例
| 福祉拡充度 | 労働組合 | |
|---|---|---|
| スウェーデン | 高度 | 強い |
| ノルウェー | 高度 | 強い |
共通するパターンの析出に使える
直近の総理大臣は3人とも自民党の3役(幹事長・政調会長・総務会長)いずれかの経験者だ。総理総裁になるためには3役経験が必要なのだろう。
共変関係を確認していない
原因の時間的先行は研究設計による
他の変数の統制はしにくい
できるだけ異なった事例を比較し、その中でも独立変数と従属変数が共通の値を取っていればそれが原因
例:福祉国家発展の例
| 福祉拡充度 | 労働組合 | 経済成長 | 選挙制度 | 気候 | |
|---|---|---|---|---|---|
| スウェーデン | 高度 | 強い | 高度 | 比例代表制 | 寒冷 |
| X国 | 高度 | 強い | 低度 | 小選挙区制 | 熱帯 |
ただし共変関係の確認はできていないことに注意
ソロワーク(5-6分)…次のテーマから1つ選び、少数の事例を比較して仮説を導いて下さい。
ペアワーク(3-4分)…近くでワークシートを交換し、以下についてチェック
共有(2-3分)…WebClassチャット
少数の事例から因果関係を検証する方法を学ぶ。量的研究と質的研究それぞれの利点と限界を議論するとともに、質的研究の枠組みとして「一致法」と「差異法」を学び、実際に自分で行ってみる。
比較事例分析