17/政策過程のモデル

政治過程論

鈴木淳平

駒澤大学法学部政治学科

2026-09-24

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今日の目次

  1. はじめに
  2. 政策過程論
  3. 段階モデル
  4. ゴミ缶モデル
  5. 政策の窓モデル
  6. まとめ

はじめに

先週のRPより①

前期期末試験の講評を通して、テスト形式や詳細な評価基準が明確になり、後期も同じ形式で行われるとのことなので、対策の焦点が絞れ、以前よりも勉強しやすくなったと感じました。

前期の試験を改めて振り返り、特に記述問題では用語を覚えるだけでなく、自分の言葉で説明できるように復習する必要があると感じた。

先週のRPより②

後期になって前期とはどのような違いで政治について説明していくのか気になった

後期に行われる執政制度や官僚制度に興味があります

後期の内容である、官僚のテーマに対して特に興味が出ました。授業内でも何度か出ていますが、実際何をしているのか、官僚がいることで、どのような効果を持っているのか、知らなかったからです。

本日の目的と到達目標

目的

政策が決定され実施されるまでの過程である政策過程論を学ぶ。理念型としての段階モデルののち、段階モデルを批判するものとしてのゴミ缶モデルと政策の窓モデルを紹介する。

到達目標

  1. 政策過程論の論点を3つ以上列挙できる。
  2. 政策過程の段階モデルを説明できる。
  3. 政策過程の「ゴミ缶モデル」を説明できる。
  4. 「政策の窓」モデルを説明できる。

本日の授業の位置付け

政策過程論

政策 (policy)

公共的問題に対する解決の方向性と具体的手段

例:

  • 貧困問題←福祉政策
  • 外国の脅威←国防政策
  • 物価高騰←金融政策

質問

福祉・国防・金融の各政策の他に、どのような政策があり、それらの政策はどのような問題に対応しているのでしょうか。

考えられることをWebClassチャットに書き込んでください。

政策過程 (policy process)

政策が立案・決定・実施・評価される一連の過程

政策過程論の論点:

  • 政策過程(特に形成・決定)の全体像
  • 課題設定=政策的対応が必要だと認識される問題
  • 政策実施
  • 政策評価

段階モデル

復習:政治システム

段階モデル

教科書p.97の図1を調整の上利用

例:復興庁の設置

  • 課題設定…2011年東日本大震災→省庁を超えた問題の発生
  • 政策形成・決定…政府有識者会議での議論→12年復興庁設置法案成立(21年までの10年間限定)
  • 政策実施…被災者支援、住まいとまちの復興、産業・生業の再生など様々な政策
  • 政策評価…21年に設置年限を10年延長(31年まで)、26年に宮城・岩手復興局廃止

2012年復興庁の発足

段階モデルの問題

「課題→政策」という理想的な流れでは説明できない場面

  • 政策が課題に先立つ→「手段の目的化」

例:パソコン購入

  • 理想:文章を作成したいからパソコンを買う
  • 現実:パソコンを買ってからやることを考える

質問「パソコン購入の例のように、手段が目的化していると言えるような自信の体験談、あるいは政策の実例はあるでしょうか。」→WebClassチャット

ゴミ缶モデル

クイズ

教科書(XII-3)で書かれている、ゴミ缶モデルの説明として正しいものを以下から全て選びなさい。

  1. ゴミ缶モデルでは、問題に対して解決策が策定されるという流れが想定されている。
  2. ゴミ缶モデルでは、自分がやりたいことがよく分かっていない人間が政策決定に参加していると想定されている。
  3. ゴミ缶モデルでは、参加者は政策決定のプロセスについて十分な知識を持っていると想定されている。
  4. ゴミ缶モデルでは、誰が政策決定に参加するかによって、政策決定の結果が変わることがある。

WebClassで回答

ゴミ缶モデル (garbage can model)

マーチ、オルセン、コーエンの提唱

組織化された無秩序 (organized anarchy)

問題・解決策・参加者・選択の機会の4つの流れがそれぞれ別々に形作る状況

特徴:

  • 参加者は自分の選好をよく知らない
  • 参加者の知識や情報は完全でない
  • 決定過程への参加は流動的

例:国鉄分割民営化、GoToトラベル

政策の窓モデル

政策の窓モデル

ジョン・キングダンがゴミ缶モデルの発展版として提唱

政策決定における3つの流れ

政策の窓 (policy window)

政策の窓の概念図

Think-pair-share (10分)

2020年のコロナ禍により急速に普及した「テレワーク(在宅勤務)」ですが、この概念自体は昔からあり、総務省も長年普及の取り組みを進めてきました(参考)。

このテレワークの事例について、①問題の流れ、②政策の流れ、③政治の流れにあたるものを、それぞれ1つずつ挙げてください。

WebClassチャットで共有してください。

まとめ

本日の目的と到達目標

目的

政策が決定され実施されるまでの過程である政策過程論を学ぶ。理念型としての段階モデルののち、段階モデルを批判するものとしてのゴミ缶モデルと政策の窓モデルを紹介する。

到達目標

  1. 政策過程論の論点を3つ以上列挙できる。
  2. 政策過程の段階モデルを説明できる。
  3. 政策過程の「ゴミ缶モデル」を説明できる。
  4. 「政策の窓」モデルを説明できる。

次回までに

事後学習

  • 授業資料を見直し、目標到達をセルフチェック
  • WebClass上でのリアクションペーパー入力(日曜日まで)

事前学習

  • 教科書(VII-2、XII-2)を読む。